ペロブスカイト太陽電池とは
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト構造と呼ばれる結晶構造を持つ材料を用いた太陽電池です。
ペロブスカイト構造は、ABX3という化学式で表される結晶構造で、Aサイトには陽イオン、Bサイトには陽イオンまたは空孔、Xサイトには陰イオンが入ります。この構造は、光吸収性、電荷伝導性、薄膜形成性などに優れていることが知られています。
ペロブスカイト太陽電池は、以下の特徴があります。
- 高い変換効率: 従来のシリコン太陽電池に匹敵する、20％を超える変換効率を達成することが可能です。
- 低コスト: ペロブスカイト材料は、安価な材料で作ることができ、製造工程も比較的簡単です。
- 軽量・柔軟性: ペロブスカイト材料は、軽量で柔軟性に優れているため、曲げられる太陽電池や建材一体型太陽電池などの開発に適しています。
ペロブスカイト太陽電池は、まだ研究開発段階ですが、次世代の太陽電池として大きな期待が寄せられています。
ペロブスカイト太陽電池の課題
ペロブスカイト太陽電池には、以下の課題があります。
- 安定性: ペロブスカイト材料は、水分や紫外線に弱いため、長期的な安定性に課題があります。
- 大面積化: ペロブスカイト太陽電池を大面積化することが難しいという課題があります、つまり、大きいパネルは発電効率にばらつきがあるので，課題となっています。
- 毒性: 一部のペロブスカイト材料は、鉛などの毒性のある元素を含んでいます。
これらの課題を克服するため、世界中で研究開発が進められています。
ペロブスカイト太陽電池の将来展望
ペロブスカイト太陽電池は、課題を克服することで、シリコン太陽電池に代わる次世代の太陽電池として普及することが期待されています。
ペロブスカイト太陽電池は、低コストで高い変換効率を実現できるため、太陽光発電の普及に貢献することが期待されます。
また、軽量で柔軟性に優れているため、曲げられる太陽電池や、建材一体型太陽電池などの新しい太陽電池の開発にもつながることが期待されます。
取り組んでいる企業は多く、日本は少し出遅れているように思いますが，耐久実験を始めた積水化学工業は、ペロブスカイトの課題の一つを克服する試みがあると思います。
コストや高効率では中国の方が良いとされているだけに耐久性で対抗していくのは個人の考えですが，正解だと思います。
高効率で低コストでも設置しても耐久寿命が短いのは，費用と工事の手間が増えるデメリットがあり、日本製は良質という差別化も図れると思います。
国内で取り組んでいる企業。
- 積水化学工業（浮体式ペロブスカイト太陽電池の共同実証実験開始）
- 富士フイルム（ペロブスカイト型太陽電池関連試薬）
- パナソニック（ガラス建材一体型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始）
- キャノン（耐用年数を2倍の20〜30年に延ばせる素材を開発、2025年量産開始予定。）
- エネオス（主原料となるヨウ素の生産能力を2倍に増やす。）
- 三菱ケミカル（おそらく）
- 大日本印刷（おそらく）
- フジプレアム（おそらく）
- 東芝（大面積フィルム型ペロブスカイト太陽電池の提供）
これらの他にも多数の企業が取り組んでいるようです。
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