森永製菓(2201)と森永乳業(2264)の違い 強みとリスク。

この記事は,私が勉強のために調べた事や今までの知識をアウトプットした内容です。

投資を始めたい方や少額投資を考えてる方などに適した内容で書いているつもりです。

上級者やもっと詳しく知りたい方は、この記事以外も参考にしてください。

森永製菓と森永乳業は、森永太一朗が設立した森永西洋菓子製造所(現在の森永製菓)が、日本練乳株式会社(現在の森永乳業)を合併しましたが、その後、乳業部門を分離され、森永乳業として設立され、現在のようになっており、お互いの合併の話があったとも言われていますが、詳細は不明です。

双方とも株主還元に力を入れており、株主優待も魅力的な銘柄です。

リスクとしても社会情勢リスク、為替リスク、材料費高騰リスク、出荷停止による業績停滞リスクなど似ている部分が多いと思われ、双方の競合他社の明治HDが、規模も大きく、業績でも上回っている事から競争激化リスクもあると考えられます。

森永製菓株式会社

会社概要

森永製菓は、チョコレートや菓子、アイスなどを中心に幅広い食品を製造・販売している日本の食品メーカー、明治時代後期に創業し、国民菓子として親しまれる商品を数多く世に送り出しており、従業員数は連結で3093名、単体で1504名、代表取締役社長は、太田栄二郎です。

主な事業内容

  • 菓子食品事業:事業活動の基盤であり、「ハイチュウ」、「ダース」、「森永ビスケット」などロングセラー商品などを扱う事業
  • 冷菓事業:業界トップクラス商品の「チョコモナカジャンボ」、独自の技術をベースとした「アイスボックス」などを取り扱う事業
  • in事業:ゼリーやバーを中心としたスポーツを軸に置いた事業
  • 通販事業:森永ダイレクトストアを運営、「美味しいコラーゲン」や「美味しい青汁」などを取り扱っています。
  • 米国事業:「ハイチュウ」が好調となっており、新商品開発など事業拡大に取り組んでいます。

強み

  • 高いブランド力: 長い歴史と数々のヒット商品により、国民的なブランド力を確立しています。
  • 多様な商品ラインナップ: チョコレートから菓子パンまで、幅広い商品ラインナップを展開しており、消費者の多様なニーズに応えています。
  • 販売チャネルの多様化: スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど、様々な販売チャネルを通じて商品を販売しています。
  • 海外展開:北米を中心に海外市場への展開を積極的に行っています。

課題

  • 競合の激しい食品業界: 国内外の競合他社との競争が激化しており、新たな商品開発やマーケティング戦略が求められています。
  • 健康志向の高まり: 健康志向の高まりを受け、低カロリーや機能性食品の開発が求められています。
  • 原材料費の高騰: 原材料費の高騰が収益を圧迫しています。
  • 人口減少: 少子高齢化による人口減少は、内需の縮小につながる可能性があります。

2030 ビジョン『森永製菓グループは、2030 年にウェルネスカンパニーへ生まれ変わります。』を定めており、「ウェルネス」とは、「いきいきとした心・体・環境を基盤にして、豊かで輝く人生を追求・実現している状態」と定義し、顧客・従業員・社会に、心の健康、体の健康、環境の健康の3つの価値を提供し続ける企業になることを目指し、課題解決や強みの強化に取り組んでいると思われます。

森永乳業株式会社

会社概要

森永乳業は、乳製品の製造・販売を主力とする日本の食品メーカーで、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を中心にアイスクリームや飲料なども扱っており、従業員は、連結で7415名、単体で3302名となっており、代表取締役社長は、大貫 陽一です。

主な事業内容

  • 栄養・機能性食品事業:「ビビマスヨーグルト」などのヨーグルトや「ミルク生活」などの粉ミルク、流動食、サプリメントなどを取り扱う事業で、宅配や通信販売も展開しています。
  • 主力食品事業:「マウントレーニア」などのビバレッジ、「ピノ」や「MOW」などのアイス、チーズや牛乳を取り扱っている事業です。
  • BtoB事業:業務用乳製品やビフィズス菌BB536などの機能性素材、ピュアスター(微酸性次亜塩素酸水生成装置)を取り扱っている事業
  • 海外事業:アジア圏での育児用ミルク事業と菌体事業、北米のプラントベースフード事業、ベトナムでのいや量やヨーグルトの製造販売事業などを取り扱っている事業。

強み

  • 乳製品の専門性: 長年の歴史と実績により、乳製品の製造技術において高い専門性を持っており、ドイツの子会社MILEI社のラクトフェリン(人間の母乳をはじめ、多くの哺乳動物の乳に含まれているたんぱく質の一種)製造世界シェアNo1であり、ヨーグルト国内シェアNo2となっています。
  • 健康志向への対応: 健康志向の高まりに対応し、機能性ヨーグルトや低脂肪乳などの商品を開発しています。
  • 幅広い商品ラインナップ: 乳製品だけでなく、アイスクリームや飲料など、幅広い商品ラインナップを展開しています。
  • BtoB事業の強化: 食品メーカーや外食産業への乳製品の供給など、BtoB事業を強化しています。

課題

  • 牛乳消費量の減少: 国民全体の牛乳消費量が減少傾向にあります。
  • 競合の激しい乳製品市場: 国内外の競合他社との競争が激化しており、新たな商品開発やマーケティング戦略が求められています。
  • 原材料費の高騰: 原材料費の高騰が収益を圧迫しています。
  • 人口減少: 少子高齢化による人口減少は、内需の縮小につながる可能性があります。

「 健 康 価 値 」の追 求と「おいしさ・楽しさ価 値 」の追求し、コーポレートスローガン「かがやく“笑顔”のために」のもと、コーポレートミッションの実現にむけウェルビーイング(世界保健機関(WHO)では、ウェルビーイングのことを 個人や社会のよい状態、 健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される(翻訳) と紹介しています。)ステートメント(発言や断言)を策定しており、課題解決や強みの強化に向けて取り組んでいると思われます。

森永製菓と森永乳業の共通点と相違点

  • 共通点:
    • 長い歴史を持つ日本の老舗食品メーカーである。
    • 国民的なブランド力を持つ。
    • 原材料費の高騰や人口減少などの課題に直面している。

原材料費高騰や人口減少などの課題に対して双方とも人財戦略やDX戦略を強化し、サステナビリティな活動を通じて食品ロス問題や容器・包装における環境配慮の推進・水資源の有効利用に力を入れており、海外事業も積極的に行っており、強みを活かし、取り組んでいると思われます。

また、製造過程や物流に対しても強化を行っており、顧客にスムーズに商品を安定して提供できる環境づくりの強化に取り組んでいます。

  • 相違点:
    • 主力商品が異なる(森永製菓:菓子、森永乳業:乳製品)
    • 商品ラインナップの幅が異なる(森永製菓の方が幅広い)
    • BtoB事業の割合が異なる(森永乳業の方が高い)

そのほか、森永製菓は北米や中国、森永乳業はアジア圏を中心に海外事業を行っており、社会情勢により業績の影響が違ってくると思われ、食品国内売上高ランキングとしては、森永製菓38位、森永乳業17位です。(引用元:バフェットコード食料品)

商品ラインナップが広いとはいえ、森永製菓の方が売上高・営業利益では、下回っており、競合他社の明治やカルビーなどに比べても劣勢といえます。

森永乳業も明治が競合他社であり、劣勢ですが、雪印メグミルクより優勢といえます。

明治の記事はこちら

まとめ

森永製菓と森永乳業は、どちらも日本の食品業界を代表する企業ですが、主力商品や事業展開が異なり、競合の激しい食品業界において、新たな商品開発やマーケティング戦略、海外展開など、様々な取り組みを進めていくことが求められています。

森永製菓と森永乳業の株価指標(株価、PER,PBR,ROA,ROEなど)

2024年7月28日

森永製菓(2201)森永乳業(2264)
株価2622円3282円
PER14.88倍14.72倍
PBR1.81倍1.03倍
時価総額約2597億円約3189億円
発行株価数約9177万株約9197万株
ROE11.85%24.52%
ROA7.07%11.67%
売上高(前期率):来期予想約2133億円(9.8%):約2220億円約5470億円(4.1%):約5700億円
営業利益(前期率):来期予想約202億円(33.1%):約205億円約278億円(16.3%):約300億円
配当利回り:配当性向2.29%:33.2%(24/3)2.74%:8.6%(24/3)
DOE約3.9%約2.10%
株主優待あり(くわしくはこちらあり(くわしくはこちら
格付けAA  a-1
引用元:SBI証券https://site1.sbisec.co.jp/ETGat 

森永製菓は2024年1月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を実施しており、今期年間配当金が、55円となっており、来期予想の配当金は、60円となっています。

森永乳業は、2023年12月1日を効力発生日として、普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っており、その関係なのか、24/3の配当性向はかなり低く、年間配当金が60円ですが、来期予想の配当性向が40.7%となっとり、年間配当金は90円となっています。

5年チャート

森永製菓

森永乳業

DOEの記事は↓

森永製菓と森永乳業のNISAとしてのメリットとデメリット

メリット

長期格付けとしての評価がAと高く、ターゲットの違いがありますが、グローバル展開も積極的であり、株主優待も魅力的で、来期配当金も増配しており、この先も増配の可能性もあると考えられ、自己株式取得の動きも行っている事から双方とも株主還元に力を入れていると思われます。

デメリット

材料費高騰、少しPBRとPERが標準から割高なので、株式分割をしているとはいえ、少し割高ともいえ、社会情勢リスクや為替リスクなどもあり、工場や物流などによる出荷の遅れや調達先のトラブルなどにより業績停滞もリスクといえます。

まとめ

個人的には、少しでも業績と時価総額の良い方を選ぶのであれば、今のところは、森永乳業で、強みの乳製品は、おそらく世界的にも高いレベルと思われます。

森永製菓は、商品ラインナップが広く、少し株価が安く、格付けランクもAとなっている事から個人的には、森永乳業と食品国内売上ランキングほどの順位の差はないかと考えられ、商品もファンが多く、グローバル展開が拡大していくうちに世界でも人気が高まる商品だと思うので、長期保有としては、森永製菓もよいと思います。

どちらを選ぶかは、株主優待で決めるのもよいと考えます。

もし、菓子と乳製品事業に投資したい場合は、明治HDも考えてもよいと思われます。


できるだけ安く株を購入と行きたいところで、トヨタとホンダのそれぞれの懸念材料から株価は下がるイメージを個人的には持ちます。

株価を少しでも適正価格で、購入するならドルコスト平均法の購入方法が、比較的、適正価格に近づけると思います。

詳しくは下の記事で↓

この記事はbradの質問を参考に作成しました。

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引用元:森永製菓 森永乳業

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