日本ハム株式会社(2282)は、日本を代表する大手食品加工メーカーです。食肉事業を中核とし、加工食品、水産物、乳製品など、幅広い食品を取り扱っていおり、「北海道日本ハムファイターズ」のゼネラルパートナーや「セレッソ大阪」のトップパートナーとしても有名な企業です。
株主優待が魅力的で、配当株としてもなかなかおすすめの銘柄で、安定収益も期待できる銘柄ですが、為替リスク、出荷不足や遅れによる業績停滞リスク、社会情勢悪化リスクなどいくつかのリスクがあると思われ、グローバル展開拡大も強化していると思われるので、人口減少や高齢化によるリスクの対策も行っており、成長性も期待できると思います。
日本ハムの会社概要
- 本社:大阪府大阪市北区梅田二丁目4番9号ブリーゼタワー
- 設立日:
- 代表取締役社長:井川 伸久
- 従業員数:2078人(グループ合計25912人)
- 事業所
- 自社農業:148ヶ所
- 製造拠点:83ヶ所
- 物流・営業拠点:242ヶ所
- 研究拠点:2ヶ所
具体的な事業内容
- 加工事業本部: 「シャウエッセン」(ウインナーカテゴリーNo1)、「中華名菜」(チルドワンクックカテゴリーNo1)、チルトピザ「石窯工房」(チルトピザカテゴリーNo1)などのヒット商品を送り出し、鎌倉ハム富岡商会やレイモンなどの歴史あるブランドを継承し、調理加工、フリーズドライ事業、エキス事業、物流などを取り行っている。(売上比率2割近く)
- 食肉事業本部: 生産飼育(国内131ヶ所、海外(豪州や中東など)20ヶ所)を持ち,処理加工(国内12ヶ所ら海外5ヶ所)を行っており、国内東西2カ所に国内最大規模の国際物流拠点を保有し、国内食肉販売量シェアNo1となっており、国内の食肉販売量のシェア約20%を占めています。(売上比率5割近く)
- 海外事業本部: アジア、オセアニア、欧州、北中南米、中東にグループ会社を持っています。(売り上が比率3割近く)
- その他: 乳製品事業、健康食品事業、水産事業、ボールパーク・その他事業(商社、IT関連、スポーツ(セレッソ大阪や北海道日本ハムファイターズ))
2023年3月に開業した「北海道ボールパークFビレッジ」の多彩なサービス提供による価値向上に努めており、三菱UFJ銀行とパートナーシップ契約を締結した事で金融とスポーツを掛け合わせた事業共創を目指していくと思われ、野球観戦以外でも訪れる来場者が4割近くとなっている事からエンターテイメントを兼ね揃えた空間となっており、北広島市の経済効果向上や不動産価値向上に貢献し、地域の課題解決にも注力しています。
日本ハムの強みと課題
会社の強み
- ブランド力: 日本ハムブランドは、長年の歴史と信頼によって、高いブランド力を持っており、例えば、「シャウエッセン」を2030年までに1000億円ブランドに成長させる目標を掲げており、グローバル展開などを拡大させ、商品ラインナップの多様化や広告やSNSを活用したリプランディングを実施するなど2019年の723億円から2023年度に746億円と増加している事から目標は達成される可能性が高いと言え、社外取締役を4割近くとなっている取締役会により課題解決や企業価値向上に努めていると思われます。
- 研究開発力: 新しい製品の開発や既存製品の改良に力を入れており、常に消費者のニーズに応える商品を提供し、「食べる喜び」をテーマに研究開発を推進しており、アレルギー検査キットの開発・販売や家畜の全てを活かす研究開発、健康寿命の延伸に寄与する食肉成分の研究、多様なたんぱく質の提供(細胞性食品や麹の研究開発など)などに努めています。
- グローバルなネットワーク: 世界各地に拠点を持ち、グローバルな視点で事業を展開しており、海外15カ国64拠点を有し,4割近くの売上高比率となっています。
課題
- 業界全体の成熟と競争激化
- 食の多様化: 健康志向、地域性、オーガニックなど、消費者の食に対する意識が高度化しており、それに応える多様な商品開発が求められています。
- 競合の増加: 国内外の食品メーカーが競合となり、価格競争や製品差別化が激化しています。
- プライベートブランド(PB)の台頭: 小売業のPB製品がシェアを拡大しており、日本ハムのブランド力に頼った販売戦略だけでは限界があります。
- 人口減少と高齢化
- 市場縮小: 日本の人口減少は、食品業界全体の市場規模縮小につながります。
- 食習慣の変化: 高齢化に伴い、低カロリー・低塩分の商品への需要が高まっていますが、従来の主力商品とのバランスを取る必要があります。
- サプライチェーンの安定化
- 原材料価格の上昇: 豚肉をはじめとする原材料価格の変動が、製品価格に影響を与え、収益安定化を難しくしています。
- 異常気象の影響: 気候変動による異常気象は、原材料の供給に不安定さを招き、生産計画に影響を与えます。
- ESG投資の拡大
- サステナビリティの重要性: 環境問題への取り組みや社会貢献活動が求められ、サステナブルな経営が企業評価に大きく影響するようになってきました。
- 動物福祉への関心: 豚肉の生産においては、動物福祉に関する意識の高まりに対応する必要があります。
- デジタル化の加速
- EC市場の拡大: オンラインでの食品販売が拡大する中、EC事業の強化が求められます。
- データ活用: 消費者の購買データを活用したマーケティングや、生産・物流の効率化が課題となります。
食品国内売上高ランキングは6位となっていますが、当期純利益では、11位あたりとなっていますが、競合他社の伊藤ハム米久HDやプリマハムより順位が上で、当期純利益でも2倍近くの差があると思われます。(引用元:バフェットコード食料品)
日本ハムの取り組みと今後の展望
- 商品開発: 健康志向、地域性、多様な食ニーズに対応した新商品を開発に取り組んでおり、特にタンパク質の安定供給に向けた挑戦を行なっています。
- ブランド強化: 日本ハムブランドの価値向上と新たなブランドの創出、外部パートナーとの共創拡大、日本ハムらしいサスティナビリティとしてアニマルウェルフェアの課題や畜産の課題に取り組んでおり、JA全農との共創プロジェクトにより、全農の充実したバリューチェーンと日本ハムの生産技術や販売力を合わせる事となり、課題解決に図ると思われます。
- 海外展開: 成長市場への進出と、グローバルブランドとしての地位確立に向けて北米加工品マーケットへの集中売上拡大、収益見直し、タイ日本フーズによる鶏肉加工品を日本だけでなく、現地のニーズをとらえた商品開発などのアジア事業の強化を進め、豪州における循環型農業の推進やブランド牛肉の取り扱い比率と一時加工品の販売構成比の増加による利益率向上、中東のトルコでの鶏肉事業改善を図るなどの活動に取り組んでいます。
- サステナビリティ経営: 環境負荷低減、水資源の有効活用(排水の高度処理による再利用、雨水の有効活用、冷却水の再利用)動物福祉の向上、社会貢献活動など人財戦略(変革型経営人財の育成・獲得と多様な人材の活躍推進、女性活躍推進、男女間の賃金差改善、労働環境整備や安全、健康経営、人権尊重など)を含め、サステナビリティ委員会を設置するなどの強化を行なっています。
- デジタル化: EC事業の強化、データ分析によるマーケティングを行っており、NTTデータと共同で養豚サポートするシステム「PIGLABO」を開発などの成果も上げているほか、業務効率化やデータ分析によるROIC(企業と債権者などから調達した資金からどれだけ効率的に利益をあげる事ができるか測定した指標(投下資本利益率))モニタリングや恒常的改善の仕組みづくりに貢献しており、バリューチェーン最適化にも活かされているとおもわれます。
日本ハムの株価指標(株価、PER,PBR,ROA,ROE,配当,株主優待など)
2024年10月16日
- 株価:5253円(2282)
- PER:18.01倍
- PBR:1.02倍
- 時価総額:約5446億円
- 発行株数:約1.02億株
- 売上高(前期比):約1.3兆円(3.5%)来期予想:約1.34億円
- 経常利益(前期比):約405億円(83.9%)来期予想:約400億円
- ROE:5.50%
- ROA:2.96%
- 配当利回り:2.57% 配当性向:43.5% DOE:2.39%
今期は、1株119円で増配となっており、来期も1株135円と増配予想です。
「中期経営計画2026」期間においてDOEを3%程度に引上げを目指し、それと同時に配当性向40%以上を目安とする考えを持っているようです。
株主優待はこちら
5年間チャートです。
引用元:SBI証券 https://site1.sbisec.co.jp/ETGat
個人的分析ですが、貸借倍率:1.43倍、回転日数:4.6日となっており、信用買いが比較的多く、回転日数が短いため、値動きが大きい可能性があると思われます。
PBR、PERはほぼ標準となっており、ROAとROEは業界内では標準と思われ、2027年度までにROEを7〜8パーセントに押し上げる目標を掲げていく事から事業利益率を増やす活動も行うと考えられ、増配などにも力を入れていくと考えます。
今期は、海外事業が少し減益ですが、食肉事業における国産鶏肉の価格転嫁や加工事業での価格改定の浸透に加え、ボールパーク事業において来場者数が増加などもあり、増収増益となっています。
来期予想では、加工事業での戦略的な商品統廃合の影響により減収を見込んでおり、全体的に増収減益ですが、それほど下がらない予想となっており、減益ですが、増配予定と株主還元に力を入れていると考えます。
NISA銘柄としてのメリットとデメリット
メリット
加工事業を中心に日本の食肉市場シェアの20%を占めている事から安定収益と株主優待が魅力的で、長期保有に向いている銘柄で、配当性向40%以上を目安とし、DOE3%に引き上げを目指し、自己株式取得を機動的に行い、株主還元にも努め、配当株としてもなかなかおすすめと考え、グローバル展開拡大やサステナビリティに力を入れており、成長性も期待できます。
引用元:日本ハムの自己株式取得
デメリット
グローバル展開拡大もしている事から為替リスクや社会情勢悪化リスクがあり、日本だけでなく、海外でも生産飼育をしているとはいえ、鳥インフルエンザや豚インフルエンザなどによる感染症による出荷不足による業績停滞リスクがあり、物流の出荷停滞リスクもあげられます。
食育の餌料高騰もリスクといえ、循環型社会の取り組みの遅れやサスティナビリティな活動の停滞もリスクといえます。
2024年8月7日時点で1ドル147円台となっている事から今期より10円以上円高になっており、為替の値動きが激しい事から来期予想通りの業績とならない可能性もあると思われます。
リスクはあるものの、安定収益と株主優待が魅力的で、少し割安となっている事から株価が高いとはいえ、魅力的な銘柄といえ、リスクによる業績停滞があるものの、不祥事などがない限りは、今後も安定収益を続けながら成長していく銘柄と思われます。
投資は自己責任で行う必要があります。投資判断を行う前に、この記事を参考にほかのWebと合わせて十分な調査を行い、リスクを理解した上で、ご自身の判断で購入してください。
価格変動リスクなどの低減のためにドルコスト平均法のような、少額または、単位株ではなく、数株または、1株ずつ購入もよいと思います。
詳しくは下の記事で↓
この記事はGeminiの質問を参考に作成しました。
株の購入は、ほかのwebなども参考にし,ご自身の判断で、慎重にお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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引用元:日本ハム