キッコーマン株式会社(2801)は、千葉県野田市に本社を置く、醤油を主とする調味料、加工食品の大手企業です。
2009年10月に新設分割により3つの事業子会社を設立し、純粋持株会社に移行しました。
日経平均株価の構成銘柄の一つで、2024年3月末で、1/5に株式分割される予定です。
引用元:ZaiONLINEhttps://diamond.jp/zai/articles/-/1026875
コア商品の醤油は、国内のみならず、海外におけるシェア率も高く、海外売上比率が6割近くとなっている事から国内の人口減少による影響が少なく、グローバル拡大による成長に期待ができ、株主優待、株式分割を始め、増配もしている事から株主還元にも力を入れている銘柄ですが、為替市場事情、材料費高騰や仕入れ不足などによる業績停滞、健康志向の高まりによる商品購買意欲低下などのリスクがある一面もあり、株価指標からも割高な銘柄といえます。
この記事は,私が勉強のために調べた事や今までの知識をアウトプットし、投資初心者などに読んでもらって知識を深めていただきたいと思ってます。
上級者やもっと詳しく調べたい方は,この記事とほかのWEBも読んでいただくことをおすすめします。
キッコーマンの代表的な製品
- 醤油(100カ国以上に愛用されているコア商品といえます。)
- みりんや料理酒などの調味料
- デルモンテ飲料や豆乳
- ケチャップ(デルモンテ)、ソース
- 梅酒やワイン
- 和風料理の素、洋風料理の素、大豆麺
- つゆ、だし、ぽんず、たれ
- 飲料
ブランドサイト
- デルモンテ
- キッコーマン
- マンジョウ
- マンズワイン
- キッコーマン豆乳
キッコーマンは、1853年に、醤油醸造家の初代正宗が、千葉県野田市で創業しました。
以来、醤油を中心に、さまざまな調味料や加工食品の製造・販売を展開しています。
食育、環境との共生、新し価値を見出す商品、千葉県にキッコーマン総合病院を運営など健康志向の社会に力をいれています。
キッコーマンは、世界各国に拠点を展開しており、グローバルに事業を展開しています。
海外売上高は、国内売上高の約6割を占めており、海外市場での成長に注力しています。
キッコーマンの会社情報
- 設立:1917年(大正6年)12月7日
- 本社:”千葉県野田市野田250″
- 東京本社”東京都港区西新橋2-1-1 興和西新橋ビル”
- 代表取締役社長か:中野 祥三郎
- 従業員数:7521名
- グループ会社:57社(連結子会社及び持分法適用会社)
食品事業だけでなく、医療事業も提供しており、サステナビリティな活動も盛んな企業といえます。
キッコーマンの強みと課題
強み
- ブランド力
キッコーマンは、醤油や味噌などの調味料において、国内トップクラスのブランド力を持っており、伝統とわざと知恵を磨き続け、高品質の商品やサービスを提供し、素材を活かした栄養バランスにすぐれた食生活を助け、顧客のニーズに応える商品やサービスを提供する事などが「キッコーマンの約束」とし、更なるブランド力向上に勤めています。
うちのご飯シリーズと生しょうゆシリーズは、かなり、評判が良さそうです。
タレシリーズ(生姜焼きのタレ,てりやきのタレなど)は時短料理に役立ち,評判も良さそうです。
また人的資本を大切にしており、人権の尊重し、「プロ人財」を育成し、女性管理職比率を2024年までに10%(2022年は9.2%)とし、障害者雇用率2.5%以上(2022年は2.4%)、男性育休取得率100%(2020年は64.5%)などの目標を掲げており、健康経営を目指すなど人財を大切にし、株主還元、収益性向上に力を入れています。
2022年度に約51億円ほどをかけ、研究開発に取り組んでおり、食料品事業やバイオケミカル分野の研究などを行っていると思われます。
コーポレート・ガバナンス体制の改善・強化を重要課題としており、社外取締役が、指名委員会や報酬委員会に参加する事により経営の透明性向上を図り、リスクマネジメント体制を整備するなど取り組んでいます。
- 技術力
キッコーマンは、長年にわたる研究開発により、さまざまな分野で高い技術力を有しており、北米における活動は、50年ほど前から行っています。
糖尿病診断マーカーHbA1c酵素測定法の開発やアシスト乳酸菌など新たな領域の挑戦をしています。
しょうゆ等の開発や研究及び安全性などで培われた技術やノウハウを知的財産とし,権利化することで競争優位性を支えています。
DXによる取り組みとしてデジタル人財の育成やデジタルリテラシー研修など行い、「シーズニングキッキン」というレシピベースを構築によるwebサイトでの運営も始め、製造現場への情報技術活用にも力を入れており、AIによる設備保全に着手しています。
- グローバル展開
キッコーマンは、世界各国に拠点を展開しており、グローバルに事業を展開しています。
シンガポール、オランダ,アメリカに研究開発拠点を開設し,グローバルな視野での研究開発に取り組んでいます。
2023年の海外売上比率や海外事業利益比率は70%を超えており,海外での醤油を使った料理を広げる活動もし、海外の売上商品の9割が醤油となっています。(北米:65% 欧州:19% アジア・オセアニア:14%)
北米の醤油のシェアは5割超がキッコーマンとなっており、北米の各地に生産拠点や販売拠点などを有しており、長年の取り組みの成果が出ていると思われます。
アジア・オセアニアにおける加工食品ブランド「デルモンテ」の商標使用権や販売権を取得している事から醤油以外の商品にも期待ができ、2021年から今期にわたり、売上収益は、アジア・オセアニア年平均7%、欧州も経済悪化による影響もありますが、平均10%の成長をしています。
キッコーマンは、今後も、強みを活かし、さらなる成長を目指しています。
課題
- 国内市場の成熟化
国内市場は、人口減少や高齢化などの影響により、成熟化が進んでいます。
そのため、キッコーマンは、国内市場の縮小に対応する必要があります。
国内シェアをあげるために新たな試みを行っていたり、時短商品や健康志向商品を販売し、社会課題である「おいしさと健康」、「多様な食ニーズ」、「コミュニケーション」などのテーマに対し、食育の活動や植物性タンパク質商品の拡大などの取り組みを行い、水の保全などのサスティナビリティな活動を通じ、国内における売上成長年平均2%と事業利益率8%を目標に取り組みを行っていると思われます。
国内調味料事業の生産体制再構築の投資を行う予定で、新工場の建設を決定し、lotを活用した生産システムや立体自動倉庫などの新技術を取り入れた設備を導入によるスマート化をすすめ、生産性の向上を図ると思われます。
- 海外市場の競争激化
海外市場では、中国や韓国などの競合他社との競争が激化しています。
海外売上高比率が70%以上のため、競争激化はリスクといえますが、海外での醤油などの必要性を高めることや和食の普及などが、海外市場での競争力を強化する事になります。
米国において家庭用シェアが6割ほどですが、競争激化していると思われ、ブランド力の更なる強化、醤油関連調味料やグルテンフリー・減塩商品の拡大をすすめ、北米事業の更なる業績アップを狙っているようです。
- 健康志向の高まり
近年、健康志向の高まりによりしょうゆの消費量が減少しています。
そのため、「減塩」や新たな開拓(糖尿病診断など)を行っている。
キッコーマン国際食文化研究センターを,千葉県野田市に建設し、食文化講座の開催、研究機関誌の発行などに取り組んでおり、食の環境や資源の活用などの環境保全活動(バイオマスプラスチックの採用、食品ロス削減活動)も行っています。
また、子会社のキッコーマンバイオケミファ株式会社による「食や生活環境の安心安全」のための検査キット事業、化成品事業、臨床診断用酵素事業などにより医療においても社会的な貢献をしている事から健康志向の高まりに対する取り組みにも力を入れていると考えられ、アシスト乳酸菌(ぬか床から乳酸菌「ペディオコッカス・アシディラクティシK15」を選抜し、独自の製法で育てた乳酸菌)から配合された商品にも豆乳飲料「まろやか青汁200ml」や包装米飯「こころダイニング麹入りもちもち玄米160g」などの製品があり、イソフラボンアグリコン30Eやグラヴィノールなどの食品原料の研究も行われています。
そのため、キッコーマンは、健康志向の消費者に訴求できる商品やサービスを開発する必要があります。
キッコーマンの株価指標(PBR,PER,ROE,ROA,配当など)
2024年10月10日
- 株価:1676円(2801) 株式分割後
- PER:27.25倍
- PBR:3.25倍
- 時価総額:約1.60兆円
- 発行株数:約9.6億株
- ROA:9.15%
- ROE:12.52%
- 売上高(前期比):約6608億円(6.8%) 来期予想:約6850億円
- 営業利益(前期比):約734億円(24.9%) 来期予想:約740億円
- 配当利回り:1.25% 配当性向:35.1%(24/3) DOE:4.39%
5年間チャートです。
- 引用元:SBI証券https://site1.sbisec.co.jp/ETGat
株主優待
100~1000株未満 | 1000株以上 | |
1年以上継続 | 1000円相当のグループ商品 | 3000円相当のグループ商品 |
3年以上継続 | 2000円相当のグループ商品 | 3000円相当のグループ商品+2000円相当の商品 |
株価は1/5分割となり、少し購入しやすい価格となってます。
同業界と比べてPER,PBR,ROA,ROEともに割高で、連結業績目標でROEを11%以上を掲げており、ROEの現状維持に努めると考えます。
国内の飲料部門は前期を下回り、海外と国内のその他の事業でも前回を下回っていますが、その他の事業は、前期を上回っており、増収増益となっており、来期予想も増収増益の予定です。
来期予想も社会情勢悪化などがない限り、好業績を保つ見通しを立てています。
貸借倍率は3.22倍で回転日数は22.1日となっており、将来的には株価上昇を予想している投資家が多いと思われ、回転日数が長い事から含み損の可能性があるものの徐々に株価上昇する可能性を秘めていると考えます。
NISA銘柄としてのメリットは安定した基盤とグローバル展開の大きさなどから安定株といえ、配当利回りは少なめですが、株主優待が長期保有で魅力的となり、主婦や料理をする方にはおすすめです。
また、北米事業の更なる拡大も期待できる他、欧州やアジア・オセアニアにおいても事業拡大しており、シェア率は高まっていると思われるので、業績アップによる成長性も期待できると思います。
特に「インド中華」に着目し、インド向けのオイスターソースを開発し、インドのシェア拡大を狙っている事もインド関連銘柄といえます。
社債格付けもA+と高いランクといえることからも高い信用度があり、安定株といえます。
デメリットとしては、海外売上高比率の高さから海外社会情勢次第で利益が少なくなり、為替リスクも不安材料といえ、国内での成熟も少しリスクと考えます。
そして材料費高騰による利益低下も懸念材料と思われ、バリューチェーンの構築や持続可能な調達のための投資の失敗もリスクと考えます。
国内の調味料・乳製品・食品油業界売上ランキング(参照はバフェットコード)は、3位となっており、1位は味の素、2位は明治HD、4位は雪印メグミルクで、調味料としての競合他社と言える味の素との差は、売上高で2倍以上、当期純利益で1.5倍近くとなっており、差があると思われます。
コア商品の醤油では、国内で、ヒガシマル、ヤマサ醤油(非上場)、正田(非上場)、ヒゲタ(ヒゲタ)などがあり、これらのメーカーよりシェア率は高いといえますが、油断はできないと考えます。
株価購入を考えてる方は、個人の判断でお願いしますが、今年は動向を探りつつ、購入の機会を伺うか、ドルコスト平均法の購入方法で少しずつの購入が良いと思います。
詳しくは下の記事で↓
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この記事はbradの質問を参考に作成しました。
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