旭化成(3407) 株価下落も成長性の高い化学メーカーの今後

旭化成株式会社(3407)は、化学、繊維、住宅、建材、エレクトロニクス、医薬品、医療等の事業を行う日本の大手総合化学メーカーである。

昨年度からの業績低迷がありますが、ポートフォリオ分散の事業ができており、業績回復すると株価上昇もありうる銘柄です。

為替リスク、原材料費高騰リスク、成長投資の失敗などリスクが高い面もありますが、NISA成長枠に取り入れる事もありうると考えられ、事業ポートフォリオの変革やグローバル展開拡大による成長性も期待できると思われます。

この記事は,私が勉強のために調べた事や今までの知識をアウトプットした内容です。

投資を始めたい方や少額投資を考えてる方などに適した内容で書いているつもりです。

上級者やもっと詳しく知りたい方は、この記事以外も参考にしてください。

概要

旭化成は、1922年に「旭絹織株式会社」として設立されました。

その後、1974年に「旭化成株式会社」に商号変更されました。

代表者:代表取締役社長兼社長執行役員:工藤 幸四郎

従業員数:49295名(海外従業員比率約4割)

本社:” 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号 日比谷三井タワー(東京ミッドタウン日比谷)”

旭化成の事業は、大きく3つの領域に分けられます。

  • マテリアル領域:高分子材料、化学品、電子材料等 
  • 住宅領域:戸建住宅「へーベルハウス」、建材等 
  • ヘルスケア領域:医薬品、医療機器等 

旭化成は、世界30カ国以上に拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。

旭化成のグループ理念は、「人・社会・地球の持続可能な発展に貢献する」ことです。

旭化成は、今後も、独創的な技術と製品開発を通じて、社会課題の解決に貢献していくことを目指しています。

旭化成の代表的な製品・サービスは以下の通りです。

  • マテリアル領域
    • 高分子材料:ポリプロピレン、ポリエチレン、エラストマー等
    • 化学品:ソーダ製品、塩ビ樹脂等
    • 電子材料:液晶材料、半導体材料等
    • デジタルソリューション「パイメル」
    • 水素関連(”大規模アルカリ水電解水素製造システムを開発”)
    • CO2ケミストリー
  • 住宅領域
    • 戸建住宅「へーベルハウス」
    • 建材:建材用断熱材、防水材等
    • 北米・豪州住宅事業
  • ヘルスケア領域
    • 患者サービス事業
    • 医療インフラ事業
    • 医薬品:腎不全治療薬、抗がん剤等
    • 医療機器:人工透析装置、血液浄化装置等

旭化成は、これらの製品・サービスを通じて、人々の生活を豊かにする貢献をしています。

旭化成の強みと課題

強み

  • 高い技術力:旭化成は、長年にわたる研究開発活動によって、高分子材料、化学品、電子材料等、様々な分野で高い技術力を有しています。

高性能コアレス電流センサー,オーディオソリューションブランド、モバイル機器用カメラ制御ソリューションなどの電子部品や感光性絶縁材料、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤、プリント基盤用絶縁材ガラスクロスなどの電子材料は,高い性能を誇り,マテリアルの大きな収益の柱といえます。

血液透析の世界シェアも高く、世界でも10位以内に入っています。

引用元:EMERGEN

感光性絶縁材料のパイメルは、感光性樹脂や高分子化学といった旭化成の技術を駆使した製品で、世界最先端技術への挑戦といえ、”企業文化の核である挑戦の精神「A-Spirit」”による顧客対応力とチームパイメルの賢明な努力などにより”世界大手ファウンドリのハイレベルな要求に迅速に対応し続けた。その結果、より高性能な「パイメル™」の新製品を上市すること”となり、優秀サプライヤーに選ばれており、DXによる顧客の問い合わせに対応する独自のコミュニケーションプラットフォームによって品質競争力・顧客対応力の強化も進めていると思われます。

旭化成の無形資産を成長の源泉とし、

  1. 多様な事業に関わる意欲的人財
  2. 幅広い領域での技術・知的財産・製造ノウハウ
  3. 多様な市場との接点
  4. 共創と変革を加速するデジタル基盤

”旭化成の企業文化の核である挑戦の精神「A-Spirit」のもと、国内外で多様な事業に意欲的に取り組む人財が、当社の最大の無形資産”と捉えており、CLAP(”Co-Learning Adventure Place”)を活用したオンライン学習コミュニティにより専門性やキャリア形成などの学習支援などを行い、プロフェッショナルの人財育成の強化とし、働きがいのある働きやすい職場づくりなどの構築にも力を入れています。

サーキュラーエコノミーの取り組みの一例としてポリスチレン樹脂のケミカルリサイクル実証を開始しており、”廃車材からのケミカルリサイクル実証試験(ポリアミド66)”も行われており、GHG排出量低減したリサイクル技術としてきたいされています。

  • グローバルな事業展開:旭化成は、世界20カ国以上に拠点を構え、グローバルに事業を展開しています。

2022年度売上高海外比率のマテリアル領域は59.7%、住宅領域は17.8%、ヘルスケアは75.5%となっています。

売上高比率は、日本:47.2%、中国:9%、アジア:9.8%、欧州:7.0%、米州:20.4%、その他の地域:6.6%となっています。

北米事業において”リチウムイオン電池(LIB)用湿式セパレータ「ハイポア」”のカナダ・オンタリオ州における製膜・塗工一貫工場が決定し、”民生用途の事業基盤が強固だったがゆえに車載用途拡大へ
舵を切るのが遅れ、足元の事業は苦戦し、車載用途で主流となる塗工膜の生産能力不足により車載顧客層を十分に拡大できず、特定顧客の需要への依存が高まっていたところにCOVID-19やサプライチェーン混乱、国際情勢の変化などの影響を受け、販売量は大きく減少した”事例に関して工場建設決定により北米シェアの拡大を図ると考えます。

  • 多角化経営:旭化成は、マテリアル、住宅、ヘルスケア等の幅広い分野で事業を展開しており、景気変動の影響を受けにくい経営体質を築いています。

マテリアル領域の売上高(営業利益)は49%(26%)、住宅は33%(48%)、ヘルスケアは18%(27%)となっております。

  • 財務体質の強さ:旭化成は、高い収益性と健全な財務体質を有しており、社債格付けは、日本格付研究所(JCR):AAとなっており、外部からの信頼性が高いと思われます。

課題

  • 競争激化:旭化成が事業展開する多くの分野で、競争が激化しています。

国内(2023年売上高)では、三菱ケミカル(1位)、住友化学(2位),富士フイルム(3位)、信越化学工業(4位)、三井化学(6位)が競合他社で、旭化成は5位となってます。

引用元:バフェットコード

世界ランキングは、45位となってます。

引用元:就活HANDBOOK

2023年の当期純利益では,これらの企業の中で唯一の損失になってます。

  • 原材料価格の変動:旭化成は、石油や天然ガス等、原材料価格の変動の影響を受けやすい事業を展開しています。
  • 新規事業の育成:旭化成は、既存事業の成長に加え、新規事業の育成も課題となっています。

キャリコネの化学業界企業ホワイト度ランキングで星四つで一位になっており、働きやすい環境に力を入れてます。

  • イノベーションの加速:旭化成は、技術革新の速度が速い分野で事業を展開しており、イノベーションの加速が求められています。

そのほか、課題となっているのは、マテリアル領域の方向転換とヘルスケア領域の業績が伸びていない事を重要課題とし、”コーポレート部門と事業部門の間で事業ポートフォリオの考え方についてのコミュニケーションをより深化させる必要がある”と考えており、事業ポートフォリオの変革を急いでいると思います。

今後の展望

旭化成は、これらの強みと課題を踏まえ、以下の重点項目に注力して事業を展開していくとしています。

  • 技術力の強化:研究開発投資を積極的に進め、世界トップレベルの技術力を維持・強化する。
  • グローバル展開の加速:新興市場を中心に事業を拡大し、グローバルな競争力を強化する。
  • 新規事業の創出:オープンイノベーション等を活用し、新規事業を積極的に創出する。
  • 経営基盤の強化:財務体質の健全性を維持・強化し、持続的な成長に向けた基盤を築く。

株価指標(株価、PER,PBRなど)と新NISA銘柄としての評価

2024年11月2日の株価指標

  • 株価:1127円(3407)
  • PER:13.83倍
  • PBR:0.86倍
  • 時価総額:約1.57兆円
  • 発行株数:約13億株
  • 売上高(前期比):約2.78兆円(2.1%)来期予想:約2.9兆円
  • 営業利益(前期比):約1407億円(9.7%)来期予想:1634億円
  • ROA:1.23%
  • ROE:2.52%
  • 配当利回り:3.19% 配当利回り:113.9% (24/3決算短信より)DOE:2.8%

5年間チャートです。

SBI証券を引用

SBI証券を参考に作成しました。

引用元https://www.sbisec.co.jp/ETGate/

全体として同業界内では割安ですが、DOEも業界内では標準と言え、来期も配当金は今期と同額となりそうです。

PBRの水準向上を目指しており、マテリアル領域の収益性低下に柔軟でスピーディーな対応ができなかったことが原因の一端といえ、ROEとPERの向上に努めていくと思われ、収益性の向上、成長投資、事業ポートフォリオの変革、資本構成の最適化などを図ると思われ、成長性の加速を期待したいです。

今期は、マテリアル領域で,売上高が石化関連の販売数量減少や市況下落で減収してますが、他の分野の販売量が増加や費用減少で営業利益増となっており、住宅領域やヘルスケア領域も増益となってきます。

来期は、緩やかな市況改善や他の領域も好調をキープしている事から全体的に回復傾向となりそうです。

信用取引残の貸借倍率:6.56倍、回転日数:5.4日で株価上昇する事を予想する投資家が、比較的に多いと考えられ、回転日数が短い事から取引が頻繁に行われる可能性があり、株価変動が激しくなる可能性があると信用取引残の指標から分析できます。

NISA銘柄としてのメリットとデメリット

メリットは、化学メーカーでありながら、不動産とヘルスケアも優れており、時価総額も高い事から今は低迷してますが、高配当利回りから配当株といえ、北米のリチウム電池事業を中心としたグローバル展開拡大、ケミカルリサイクル事業の実用化、マテリアル領域の収益回復やヘルスケア領域の収益性改善などの事業ポートフォリオの変革による成長性が期待でき、成長性が高いといえます。


デメリットとしてこのまま、業績悪化が続いていく可能性もあるという事と化学メーカーの問題として石油化学系の今後の収益性が見込めない可能性があるという事です。

この問題は、日本化学メーカやENEOSなどの石油小売業社および、石油化学に関係している企業が一丸となって輸入に頼らない対策を練ると考えますので、それを期待したいです。

その他、グローバル展開拡大による為替リスク、材料費高騰リスク、事業ポートフォリオの変革の失敗などのリスクはあると考えます。

また、事業ポートフォリオの変革とグローバル事業拡大は、今後の株価に影響すると考えられ、キーポイントとなると思われるので、株価購入を考えている方には、動向に注視が必要と思われます。

私の分析なので,購入の判断は,余裕資金を持って他のサイトも参考にご自身の判断でお願いします。

価格変動リスクなどのためにドルコスト平均法の購入方法があります。

詳しくは下の記事で↓

この記事はbradの質問を参考に作成しました,株の購入は、ほかのwebなども参考にし,慎重にお願いします、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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引用元:旭化成

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