出光興産は、石油精製・販売を基盤に、石油化学、電子材料、エネルギー事業などを展開する日本の総合エネルギー企業です。
2024年1月1日より1/5株式分割が行われて、10万未満で単位株を購入できる銘柄となり、株主優待と成長性の高い企業といえますが、競合他社との競争激化(特にエネオスとの)と脱炭素化のシフトチェンジの遅延がリスクといえます。
NISA成長枠に取り入れたいですが、長期として再生可能エネルギーなどの新規事業が、燃料油セグメントを超えるほどの売上比率になる可能性はありますが、短期としては、難しいと思われ、長期的な収益性基盤を構築できるかが、キーポイントといえます。
この記事は,私が勉強のために調べた事や今までの知識をアウトプットし、投資初心者などに読んでもらって知識を深めていただきたいと思ってます。
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出光興産の会社概要
会社概要
- 設立:1911年
- 本社:東京都千代田区
- 代表者:木藤 俊介(代表取締役社長)
- 連結従業員数:約14000人(海外従業員数:約3000人)
- 事業内容:石油・ガス、電力、化学製品、不動産業など
- 原油処理能力:94.5万バレル/日
- 国内SS数:6000ヶ所
- バフェットコードの国内石油業界売上高:3位(1位はエネオス、2位は三井物産)
- セグメント(地域別売上比率、国内:73%、アジア・オセアニア:17%、北米:9%、その他:1%)
- 燃料油(売上比率:81% 営業+持分損益構成比:54%)
- 基礎化学品(売上比率:7% 営業+持分損益構成比:7%)
- 高機能材(売上比率:6% 営業+持分損益構成比:9%)
- 電力・再生可能エネルギー(売上比率:2% 営業+持分損益構成比:2%)
- 資源(売上比率:4% 営業+持分損益構成比:38%)
出光興産の強みと課題
強み
- グローバルな事業展開:
出光興産は、世界各地で石油・ガス探鉱・生産事業を展開し、安定した収益源を確保しており、東南アジア周辺でのガス田開発、地熱事業の拡大や豪州石炭鉱山からレアメタル鉱山、精錬、再エネへの経営資源シフトなど事業拡大に取り組んでおり、高機能材として高機能アスファルト、農薬・機能性飼料、リチウムイオン電池材料なども携わっており、潤滑油は世界28か国に展開する製造・販売・研究開発ネットワークを有し、機能化学品の”ポリカーボネート樹脂やSPS(シンジオタ クチックポリスチレン)樹脂など、高透明、高耐久、高耐熱が特徴 のエンジニアリングプラスチックのほか、紙おむつなどに使われ る粘接着材料から食品保存で活躍するプラスチックジッパーテー プまで幅広く機能製品”を扱っています。 - 高い技術力:
出光興産は、石油精製や化学製品製造などの技術力が高く、高付加価値製品の開発・販売に力を入れており、2050年までに使用済みプラスチック循環システムの確立や石油化学からバイオ化学へのシフト(バイオエチレン等)にも取り組んでおり、電子材料事業において”積層発光層を用いた新発光方式は、世界最高レベルの発光効率と長寿命化に成功し、有機ELディスプレイのさらなる高 性能化、省電力化に寄与”している事から世界トップレベルの有機EL材料技術を有しているといえ、ケミカルリサイクル事業にも取り組んでいます。 - 積極的な経営:
出光興産は、新規事業への投資やM&Aなど、積極的な経営を展開しており、完全子会社の出光クレイバレー(液状ゴムの製造・販売)や出光グリーンパワー( 電力の売買・供給および環境価値の販売)を吸収合併しており、1社体制により顧客のサービス強化や向上し、成長と発展していくと考えられ、また、Delta Lithium Limited(オーストラリア パース、以下DLI社)へ出資、出資額の合計は約53百万豪ドルとなり、株式保有比率は15%となるなど積極的な投資やM&Aに取り組んでいます。
課題
- エネルギー価格の変動:
石油・ガスの価格変動は、出光興産の業績に大きな影響を与えます。
社会情勢による価格変動による収益変動が激しいのがリスクといえ、株価にも大きい影響をもたらすと考えられ、収益性の改善を行っているものの、特に中東情勢には、注視する必要があると思われます。
- 脱炭素社会への移行:
脱炭素社会への移行に向け、出光興産は新たな事業分野を確立する必要があります。
CN(=CO2排出量ネットゼロ)エネルギーのサプライチェーン構築(カーボンフリー水素、アンモニア、合成燃料等)を2050年までに主力事業とするために取り組んでおり、太陽光発電事業は、40年にわたり、事業展開しており、それで得た知見やネットワークから事業収益安定化などにも取り組んでいると思われます。
自動車向けCN燃料の記事
- 人材不足:
高齢化や人口減少により、出光興産は人材不足に直面しています。
2019年度から新入社員育成の目的に、メンター制度を導入(育成指導役の先輩社員の指導スキル向上を目的とした制度)や2020年度よりインクルージョン研修(個々の潜在能力を最大限に引き出すための心構えやスキルを学ぶ)を実施しています。
そのほか、厚生労働省の推奨する「セルフ・キャリアドック」の出光版として構成した取り組みやDX人財にも取り組んでいます。
将来展望
出光興産は、石油・ガス事業を基盤としながら、電力、化学製品、不動産業など、新たな事業分野を積極的に展開していくとしています。また、脱炭素社会への移行に向け、再生可能エネルギー事業への投資を拡大していくだけでなく、燃料油における海外展開(国内だけでなく、”アジア環太平洋地域の販売拠点・需要家に対してサ プライチェーンを構築”)や国内ネットワーク強化(スマートよろずやの実装や進化など)も行っています。
参考情報
- 出光興産公式サイト: https://www.idemitsu.com/
現在、石油元売りランキング1位のエネオスについては↓
出光興産の株価指標(株価、PER,PBRなど)と新NISA銘柄としての評価
2024年11月20日現在の出光興産の株価指標
- 株価:1009.5円(5019)
- PER:9.22倍
- PBR:0.72倍
- 時価総額:約1兆4100億円
- 発行株数:約13.9億株
- 売上高(前期比):約8.71兆億円(-7.8%)
- 営業利益(前期比):約3463億円(22.6%)
- ROA:4.63%
- ROE:13.39%
- 配当利回り:3.57% 配当性向:19.8% DOE:2.65%
- 営業CF:プラス 投資CF:マイナス 財務CF:マイナス 一概に言えませんが、積極投資企業といえます。
株式分割があり、実質上で前期より増配といえ、来期も同額といえます。
SBI証券を参考に作成しました。
出光興産の5年間株価チャートです。
引用元https://www.sbisec.co.jp/ETGate/
株主優待として500株以上保有する方にテレビ朝日系列音楽番組「題名のない音楽会」の収録に抽選でご招待(株主様1名につき2名様分までご応募可)や「キッザニア東京・甲子園・福岡」入場券を抽選で300名様に贈呈(各会場100名様・1セット4枚のチケットを贈呈(大人1枚・大人こども共通利用券3枚)があります。
全体として割安で利回りも良いですが,原油価格の変動や脱炭素化の動きなどのリスクがあるので、中長期だと少し不安があると私は考えます。
また、来期の業績予想は、売上高約8.7兆円(‐0.2%)、営業利益約1690億円(‐51.2%)で業績は下がっており、石炭価格の下落及び前年度のプラスタイムラグの反動などが原因と思われ、2025年第1四半期は、少し業績は上がっているようでしたが、第2四半期で、燃料油や基礎化学品のセグメントの業績が悪くなっており、経常利益進捗率:66.4%となっていますが、SBI証券の評価では、雨模様となっているので、来期の業績予想より下がる可能性があると考えられます。
信用取引残の貸借倍率6.84倍、回転日数4.4日で株価上昇する事を予想する投資家が、比較的に多いと考えられ、回転日数が短い事から短期的な上昇すると信用取引残の指標から分析できます。
業績は悪いですが、今後の成長性と原油のさらなる高騰による収益から株価上昇の要因となると考えます。
PBR,PER,ROE,ROAについては↓
出光興産のNISA銘柄としての評価
- 安定した収益基盤
出光興産は、石油精製・販売、石油化学、電力・エネルギーなどの事業を展開しており、安定した収益基盤を有し、調達変革の活動(業務改革としてガバナンス強化、生産性向上、支出抑制・最適化やサプライチェーン体制の構築など)も行い、配当利回りの高さと自己株式取得による株主還元も期待できます。
- 成長性
出光興産は、再生可能エネルギー事業や海外事業の拡大などにより、成長を続けています。
研究開発として1歩先のエネルギーの取り組みとしてブルーアンモニア、ブルー水素、バイオ燃料など脱炭素化社会に向けた取り組みも行っています。
リチウム電池材料、環境対応型農畜産資材、高速通信・次世代ディスプレイ、モビリティ軽量・強靭化などの多様な省資源・資源循環ソリューションの取り組みも今後の成長につながると考えます。
燃料油事業の海外展開拡大における成功は、短期的な業績上昇につながる可能性があると思われます。
ただし、課題については,注意が必要です。
- 脱炭素化への対応
脱炭素化への対応で、脱炭素化の流れが加速した場合、業績への影響が懸念されます。
脱炭素化への対応の遅れは、石油元売り会社にとって大きな問題となるので、社会情勢や他分野の発展の動向を注意する必要がある。
- ガソリンスタンドの競争激化
ガソリンスタンドの競争激化で、ガソリンスタンドの需要が減少した場合、業績への影響が懸念されます。
石油元売り1位のエネオスとの競争激化は、大きいリスクといえます。
総合的に判断すると1/5に株式分割され、購入しやすくなったとはいえ、競合他社のエネオスが、1歩リードしている印象がありますが、脱炭素化社会の対応は、エネオスとは少し違うようです。
再生可能エネルギー(太陽光、風力、バイオ・地熱)はエネオス、ブルーアンモニアなどは出光興産で双方とも水素事業や化学燃料などの事業は拡大していくようです。
どちらも成功すると思いますが、どちらが早く事業安定させるかが、キーポイントになり、これは、これからの動向を注意深く見ていくしかないと思います。
たた、石油は、日本に欠かせない資源ですし、脱炭素化の道は、まだ先なのかと思います。
必ずとは言えませんが、10年ほどは、石油の売上が急速に下がる事は少ないのかと感じます。
そして原油価格が出光興産の株の値動きに左右されやすいことを理解しておいてください。
これはエネオスにも言える事で、特に株価購入時期のタイミングが難しいといえる銘柄で、投資初心者には少し難しいと思われます。
それでも収益基盤は魅力なので、株主優待で買っている投資家も多いと言われており、脱炭素化社会の対応が、今後の成長につながると思いますし,株価上昇も見込めます。
今後の動向(特に中東情勢)をチェックしておいて購入を考えるべきです。
私の分析なので,購入の判断は,余裕資金を持って他のサイトも参考にご自身の判断でお願いします。
価格変動リスクなどのためにドルコスト平均法の購入方法があります。
詳しくは下の記事で↓
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引用元:出光興産公式サイト: https://www.idemitsu.com/