INPEX株式会社(1605)は、豊富な資源量と高い技術力で世界各地で石油・天然ガス開発事業を展開し、エネルギーの安定供給と社会の発展に貢献する国際エネルギー企業です。
収益が高く、長期で持つと株主優待があり、魅力的で、配当も期待できる銘柄ですが、社会情勢に左右されやすく、値動きが激しい一面を持った銘柄といえま、LNGや天然ガスに関しては、かなりの強みを持っていると考えられ、天然ガス最大大手といえる企業で、石油事業や半導体事業をコア事業としているENEOSとの違いといえます。
この記事は,私が勉強のために調べた事や今までの知識をアウトプットした内容です。
投資を始めたい方や少額投資を考えてる方などに適した内容で書いているつもりです。
上級者やもっと詳しく知りたい方は、この記事以外も参考にしてください。
INPEX(インペックス)の会社概要
設立: 2006(平成18)年4月3日
国際石油開発株式会社、帝国石油株式会社による共同持株会社
「国際石油開発帝石ホールディングス株式会社」を設立
2021年4月1日、国際石油開発帝石株式会社からINPEX株式会社に商号変更。
従業員数: 単体:1349人 連結:3365人
(2022年12月31日現在)
代表取締役社長: 上田隆之
本社所在地: 東京都港区赤坂五丁目3番1号
事業内容:
- 石油・天然ガスの探鉱・開発・生産
- 液化天然ガス(LNG)の輸入・販売
- 石油・天然ガスの輸送・販売
- エネルギー関連事業
INPEX株式会社は、日本国内だけでなく、世界各国で事業を展開しており、エネルギーの安定供給と社会の発展に貢献し、「The Spirit of Challenge」というコーポレートスローガンのもと、挑戦を続けながら、地球と共に成長する国際エネルギー企業を目指しています。
INPEX(インペックス)の強みと課題
強み
- 豊富な資源量:
INPEXは、世界各地で豊富な石油・天然ガス資源を保有しており、日本の年間エネルギー消費量の約1割に相当する規模の石油・天然ガスを世界各国で生産しており、生産量では日本最大、国際的にも生産量の多い規模であり、安定供給に貢献し、石油・天然ガスのネット生産量が、63.0万バレル/日と日本の年間エネルギー消費量の約1割に相当し、グローバルガスバリューチェーン(海外生産ー直江津LNG基地ー国内パイプラインー顧客)を活用により直江津LNG基地でイクシルLNGプロジェクト等の海外から受入れているLNGと南長岡ガス田から生産される天然ガスを関東甲信越及び北陸地域に広がる約1500メートルの天然ガスパイプラインにより国内に販売しています。
高い技術力:
INPEXは、長年にわたって培ってきた探鉱・開発・生産技術を有しており、石油・天然ガス分野の技術をクリーンエネルギー技術へ転用・応用することやCCS/CCUS、水素事業などにおける先進技術の獲得を目指し、研究開発を推進しております。
国内初プロジョクトとしてブルー水素とアンモニア製造と利用を一貫実証実験の地上プラント設備の工事を開始しており、東柏崎ガス田平井地区の貯留層への圧入(CCUS)により副次的に発生するCO2に対応する事により大気中の排出は少なくなると思われます。
イクシルLNGプロジェクトで発生したCO2を落札した豪州北部準州沖合のGHGアセスメント地区にCO2を圧入する計画していると思われます。
CCSとは、二酸化炭素を回収・貯留することであり、CCUSとは、その回収・貯留した二酸化炭素を有効利用することです。
インドネシアや秋田県湯沢市に地熱発電事業を展開しており、北海道標津郡標津町尖峰周辺地域の地熱ポテンシャル調査など再生可能エネルギー事業の活動もしています。
約40件の産官学連携により大学や研究機関などの協力のもと、様々な開発の実現化に取り組んでいます。
世界最大級のメタネーション(”メタネーションとは、水素とCO2から都市ガス原料の主成分であるメタンを合成することを言います。また、メタネーションによって合成したメタンを「カーボンニュートラルメタン」もしくは「合成メタン」と呼びます。”引用元:日本ガス協会)によるCO2排出削減・有効利用実用化技術開発事業を行っており、千代田化工建設株式会社とEPC(Engineering、Procurement、Construction)契約を締結し、世界最大級となる家庭用1万戸分に相当する400N㎥ーCO2/hの試験設備の建設を開始しており、製造された合成メタンをINPEXの都市ガスパイプラインにて需要家に届ける予定です。(実験は2025年ごろ開始予定)
- グローバルな展開:
INPEXは、世界14カ国で事業を展開しており、国際的な競争力を持っています。
アジアをはじめ,欧州や北米に拠点があり,外国人従業員も全体の3割近くとなっています。
オーストラリアのイクシルプロジェクトの成功によるLNG供給ラインの構築、アバディLNGプロジェクトをインドネシア政府などと連携した開発計画の実施、アブダビ(アラブ首長国連邦の首都)事業の既存油田の生産能力強化、ノルウェープロジェクトによる世界初の浮体式洋上風力発電施設から石油ガス生産施設への電気供給開始や複数の即発見未開発油ガス田の開発そしてCCSの挑戦など、グローバル展開拡大していると考えます。
- 安定した財務基盤:
INPEXは、高い収益性と健全な財務基盤を有しており、長期的な成長戦略を実行し、国内外プロジェクトの安定操業により安定的かつ堅実な収益・キャッシュフローを創出。
低油価環境にも耐えられる強靭な財務基盤を構築すべく、借入金残高・投資・還元動向を、常時モニタリングし、財務バランスを適切に制御しています。
イクシルLNGプロジェクトの成功
INPEXが日本企業初となる大型LNGプロジェクトの操業主体(オペレーター)として”オーストラリア北西部の沖合にある「イクシス ガス・コンデンセート田」を開発し、準州ノーザンテリトリーの州都・ダーウィンで生産するというプロジェクトです。”(引用元:経済産業省資源エネルギー庁)
オーストラリアのダーウィンからイクシルガス田まで890キロメートルの海底パイプラインの敷設を計画し、投資が決定しており、イクシルLNGプロジェクトの成功によりINPEXは、オーストラリアでの政府、業界、地域住民との信頼関係を構築でき、INPEXオーストラリアにグローバルで優秀な人材が定着する企業風土を構築する事になり、41か国3300企業3万人が携わって4つの大型施設(”陸上プラント、海底パイプライン、FPSO、CPF”)を建設し、2018年に操業開始となり、生産能力は、890万トン/年と日本のLNG年間輸入量の1割に相当しています。
課題
- 資源価格の変動:
石油・天然ガス価格は、世界経済の影響を受けやすく、収益に影響を与える可能性があります。
- 環境問題への対応:
地球温暖化などの環境問題への対応が求められており、事業運営に影響を与える可能性があります。
水素事業やグリーンエネルギー事業にも力を入れ,国産資源「ヨウ素」の増産もしています。
サステナビリティな活動を通じてCCSやCCUSなどの環境負荷低減や再生可能エネルギー事業を成長戦略とし、活動を拡大していると思われます。
- 人材確保:
高度な専門知識を持つ人材の確保が課題となっています。
外国人従業人だけでなく,女性の従業員も多く、全体の19%近くとなっており、女性が働きやすい環境作りに努めており、エネルギー業界の専門知識やビジネススキルを学ぶビジネスナレッジ研修、国際性を養るグローバルプログラム、リーダーシップ力やマネジメント力を強化する研修、人権尊重、ダイバーシティ&インクルージョンの推進などを行い、優秀で専門性の高い人財を育てています。
- 事業リスク:
探鉱・開発・生産事業には、技術的なリスクや政治的なリスクなどが伴います。
社外取締役が半数近くを占める取締役会などを通じ、コーポレートガバランス強化に努め、リスクマネジメントや収益性の向上、従業員の安全や健康経営にも力を入れています。
INPEXは、これらの強みと課題を克服し、今後もエネルギーの安定供給と社会の発展に貢献していくことが期待されています。
INPEX(インペックス)の株価指標
2024年11月2日
- 株価:2008.5円(1605)
- PER:6.81倍
- PBR:0.51倍
- 時価総額:約2.52兆円
- 発行株数:約12億株
- ROA:4.88%
- ROE:8.03%
- 売上高(前期比):約2.1兆円(‐6.5%) 来期予想:約2.25兆円
- 営業利益(前期比):約1.11兆円(‐25.9%)来期予想:約1.24兆円
- 配当利回り:4.28% 配当性向:29.8%(24/3)DOE:2.39%
- 株主優待あり:https://www.inpex.co.jp/ir/shareholder/benefits.html
過去5年間チャートです。
引用元:SBI証券https://site1.sbisec.co.jp/ETGat
同業界と比べてPER,PBRは割安といえ、ROE,ROAは標準やや高め、DOEが2.07%で同業界では標準と思われます。
連結自己資本配当率(DOE)3.0%を基準として安定的な配当の継続を重視しており、株主還元に努め、年間配当金76円、自己株取得500億円、総還元性向40%/年となっています。
PBR,PERについては↓
DOEは↓
今期は業績が落ちており、油価下落や国内ガス生産量減などで利益が落ちたと思われ、オーストラリアのイクシスのガス漏れトラブルで生産不調、経費もかさんでいます。
2024年12月期第2四半期が終わり、経常利益進捗率は55.6%となっており、次の2024年11月12日に第3四半期が発表されるので、株価の変動は11月13日以降にあるかもしれません。
貸借倍率は18.96倍で回転日数は28.3日となっており、株価が上がると予想する投資家が多く、回転日数が少し長い事から徐々に株価が上がっていくと信用取引残の指標から分析できます。
INPEX(インペックス)のNISA銘柄としてのメリットとデメリット
メリットは、長期で持つと株主優待が魅力的、エネルギー事業の大手であり、利益高水準で、新たなエネルギー事業の開発などに力を入れており、原油や天然ガス以外にも水素事業や要素事業(ベロブスカイト太陽電池に必要な原料でもあります。)を目指している事から成長も期待できます。
また、イクシルLNGプロジョクトの成功は、大きい収益性向上となり、トラブルなどがありますが、この先、さらなる成長が期待できるといえます。
デメリットは、原油の価格に左右され、社会情勢悪化による原油高の変化に対して株価が変化しやすく、値動きが激しいところが、リスクといえ、為替リスクも大きいと思います。
業界1位とはいえ、エネオスや出光興産など競合他社との競争激化もリスクといえます。
収益が安定しているものの、社会情勢に左右されやすい銘柄といえ、エネオスや出光興産も同じように思います。
長期保有に向いているとは言え,ご自身で損切りラインを決めておいた方が良いでしょう。
株価購入を考えてる方は、個人の判断でお願いしますが、今年は動向を探りつつ、購入の機会を伺うか、ドルコスト平均法の購入方法で少しずつの購入が良いと思います。
詳しくは下の記事で↓
この記事はbradの質問を参考に作成しました。
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引用元:INPEX